築12年のマンション。床とキッチンのトータルコーディネートをした上でのリフォーム検討
[お客様の希望]
・モダンな床にしたい。(ひび割れたりしなくて)ただのモルタルやタイルではない、満足感の高い床の内装仕上げの提案をして欲しい。床暖房が今入っている。
・既存キッチンのレイアウト自体は問題ないと思っている。扉だけ交換するのか、それとも丸ごと交換しなければならないのか。イメージは以下のようなイメージ
ご要望を掘り下げます。
こんにちは、代表(インテリアコーディネーター)の石原です。
上記のようなリフォーム、インテリアコーディネートのご要望がございました、良いものを大切に永く使いたいというお気持ちのもと、既存家具は1950年代のハンスウェグナーやシャルロットペリアンなどの家具を取り揃えておられるお客様です。
内装のイメージは、そういったヴィンテージの家具が空間に存在しても”北欧っぽく(お客様曰く、「ほっこり」)”なりすぎず、モダンな空間に仕上げ、それでいてなお一層ヴィンテージ家具が映えてくるような空間。
*イメージとしてご提案いただいたのは、ブラジルのstudiomk27という設計事務所↓
モダンな空間の中にも、温かみのある家具を指し入れ、非常にモダンな空間設計が魅力です。
実際にイメージをブレストしてゆきます。
最初にお話を聞いて、パッと浮かんだのはエクスマキナ (映画)の舞台となったホテル「The Juvet Hotel」。
おそらくポイントとなるのは床などに用いるであろう無機質なモルタル調(もしくはタイル)の硬質さと感じました。
したがって、そのようなイメージを持ちつつまず床について考えました。
床の仕上げの方向性イメージ
1.モールテックス
・可塑性があり、内装につよい樹脂系モルタルの代表である、モールテックス *可塑追従性についてはメーカー参照
・タイルもしくは石材
たくさんメーカーがあるのですが、まずはこの辺りがイメージに近く質感も良さそうです。(実際には次のステップでいくつかピックアップしたもののうちからサンプルを取り寄せさせていただきます)。
*厚みの問題、既存床解体撤去、床暖房マット敷き直しによるコストアップなどが付随するので留意しなければなりません。
→(ポイントとしては)まずはタイルにしてもモルタルにしても、(実現性は別として)デザインとしてどれが一番選択したいかを選定ください。タイル材は方向性が決まってからの絞り込みとなります。
セラミックタイル 参考:
*ほか、MARISTO , Hiseramics 取扱タイルはこちらからリンクになっておりますのでよろしければ参照ください。個人的には、先のタイルの毛色が近しいかと思うのですが、結局のところ国内在庫や納期の関係、サイズほか採用選定条件が多岐に渡りますので、まずはご希望を詰める段階とさせていただければと考えます。
キッチンについて
実際に契約前ですが、パースを使用してイメージを作って自分の中でもブレストを行いながら考えてみました。
パネル色のみ変える案
→選定する仕上げ(扉などの)にもよると思いますが、ともするとあまりリフォームした感じが出ないかもしれません。
内装を絡めて考える案
例えば、以下のように天板を薄いステンレスで仕上げ、内装も多少色を入れたりしてみると変わって見えるかもしれません。プランの意図としては、天板にステンレスを使用したいという思いも含めております。ステンレスの硬質なイメージの一方で、薄厚なので浮遊感もあり、またキャビネット本体の木目はヴィンテージシルバーとか焼き色のような乾いた印象で、より”温かみ”のあるお手持ちの家具とのコントラストを引き立てるよう意図しています。
天板を少し拡張してみる案
天板の要望に「大理石調の天板にしたい」という奥様からのご要望がありましたので、そちらも検討しました。ただ既存の差し替えですと、前記の通りあまり変化に乏しいかと思い、以下のように壁から150mm手前にカウンターを延長してみました。こうすることで、(150mm出っ張ることが許容されるのであれば)他の角度からみたときも変化のあるキッチンにリフォームできるのではないかと考えました。
思い切って既存横かべも色を変えることで、より構造物感(アーキテクチュアル)になりモダンと個人的には思います。*壁側のキッチンパネル箇所の色は特段意図はございませんが、ホワイトだと少し寂しい気がするので、何か明度を判断軸としてテクスチャーを追々選定した方が良さそうと感じます。もしくは、ホワイトやブラックミラーなどで表面に艶を持たせ、反射を使用することで空間に広がりを持たせる工夫も考えられます。
その他扉色のデザイン幅
手前のカウンター側は(検討中)結構ダークな色目がおおいなと個人的にも感じ、それがお客様の好みに合うかということは一度相談する必要がありそうです。ホワイト系にキャビネットを持ってゆくとシンボリックな印象にまとめるのがいいのかと感じております。
また、扉色に関しては、基本的な色味はオーダー可能なことはもちろんですが、以下のような少し変わった色味も検討できるので後々希望を聞いてゆきたいところでもあります。
次回打ち合わせに向けて
選定の手順
お見積もりを進める前に、以下の手順(優先度)でご一緒にプランをもう少し固める必要があると考えております。
リビング全体のイメージ(≒床の色) >キッチンの基本形状 > 天板カラー>キャビネット色(素材)+壁アクセント等
・ご希望(デザインと金額)を決めていただいた上で、積算用の図面作成、積算を有償*1にて進めます。(前受金:想定工事費用の10% *お預かり金についての留意を参考)
*1その前段階として、次回お打ち合わせ後にかなり概算での概算をお出しいたします。(工事金額を保証するものではございません。あくまで過去に照らし合わせた参考価格となり、工事費のイメージとしていただきます。)
・機器と扉、天板とシンクほか交換での対応の場合と、キッチン丸ごと交換する場合の2方向で検討を想定はしておりますが、なるべくでしたらリスクの少ない後者の方でご依頼いただくことをお勧めします。何より保証が効かなくなります。*扉交換の場合、加工過程上、予期せぬ遅延が発生する場合がございます(特注品加工途中での不備、現場施工時既存箇所との取り合い不備 等)ので納期にご理解をいただいた上での発注をお願いしております。
・ちなみに床にグレイッシュなフローリング持ってきてもいいとは思うのですが、木の質感が多くなりすぎるので、要検討です。この辺りのフローリングもシックでご要望に合いそうで面白いと言えば面白いのですけどね。。。
https://www.nissin-ex.co.jp/products/products_brand/fumed
キッチン天板の素材に関して今回参照したのは以下の2社 / デクトン・サイルストーンを参考としました。
またこのページを閲覧されていらっしゃるお客様、リフォームをご検討のお客様のアイデア参考になれば幸いです。
Director / Designer イシハラ カズヒロ
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